VAddyが対応する脆弱性検査項目は OWASP TOP10(2021) の以下の項目に対応しております。
A01.アクセス制御の不備
- 非公開ファイル検査(Advanced・Enterprise)
- アクセス・認可制御不備の検査(Advanced)
A02.暗号化の失敗
- ディレクトリトラバーサル検査(全プラン)
- SSRF脆弱性の検査(Advanced・Enterprise)
A03.インジェクション
- SQLインジェクション検査(全プラン)
- ブラインドSQLインジェクション検査(Advanced・Enterprise)
- コマンドインジェクション検査(全プラン)
- HTTPヘッダインジェクション検査(Advanced・Enterprise)
- メールヘッダインジェクション検査(Advanced)
- クロスサイトスクリプティング(XSS)検査(全プラン)
A05.セキュリティの設定ミス
- クリックジャッキング検査(Advanced)
- CSRF検査(Advanced)
- XML外部実体攻撃(XXE)検査(Advanced・Enterprise)
A07.識別と認証の失敗
- セッション管理不備の検査(Advanced)
A8. ソフトウェアとデータの整合性の不具合
- 安全でないデシリアライゼーション検査(Advanced・Enterprise)
A10.サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)
- SSRF脆弱性の検査(Advanced・Enterprise)
上記以外の項目もVAddy手動診断追加プランであれば10項目全てに適合可能です。
OWASP Top 10 2021
OWASP Top10は、Webアプリケーションにおいてインパクトのある10の脆弱性の内容を示しており、効率的なセキュリティ対策を実現する診断内容です。
2021年版では、2017年版から4つのカテゴリーとスコープが変更・統合され、3つの新しいカテゴリーが追加されました。
A1:2021-アクセス制御の不備
5位から最も深刻なWebアプリケーションのセキュリティリスクへと順位を上げました。貢献されたデータから、平均でテストされたアプリケーションの3.81%が1つ以上の共通脆弱性タイプ一覧(CWE)を持っており、このリスクカテゴリに該当するCWEは 318,000 件以上存在していたことがわかりました。他のカテゴリーに比べ、「アクセス制御の欠陥」にあたる34件のCWEがアプリケーション内で多く発生していました。
A2:2021-暗号化の失敗
ひとつ順位を上げて2位になっています。以前は、A3:2017-機微な情報の露出 と呼ばれていましたが、これは根本的な原因というより幅広くみられる症状と言えます。ここでは、機密データの漏えいやシステム侵害に多く関連する、暗号技術にまつわる失敗に焦点を当てています。
A3:2021-インジェクション
94%のアプリケーションで何らかのインジェクションに関する問題が確認されています。最大発生率は19%、平均発生率は3.37%であり、このカテゴリにあたる33のCWEは、アプリケーションでの発生数が2番目に多く見られます。発生数は27万4千件でした。今回から、クロスサイトスクリプティングは、このカテゴリに含まれています。
A4:2021-安全が確認されない不安な設計
2021年に新設されたカテゴリーで、設計上の欠陥に関するリスクに焦点を当てています。一業界として、我々が純粋に「シフトレフト」することを望むのであれば、脅威モデリングや、安全な設計パターンと原則、また、リファレンス・アーキテクチャをもっと利用していくことが必要です。 安全が確認されない不安な設計は完璧な実装によって修正されることはありません。定義上、(つまり設計自体が問題なので)特定の攻撃に対して必要なセキュリティ対策が作られることがありえないからです。
A05:2021-セキュリティの設定ミス
前回の6位から順位を上げました。アプリケーションの90%に何らかの設定ミスが見られ、インシデントの平均発生率としては4.5%、このリスクカテゴリに該当するCWEは 208,000 件以上存在していたことがわかりました。 高度な設定が可能なソフトウェアへの移行が進む中で、このカテゴリーの順位が上がったことは当然と言えます。以前の、A4:2017-XML 外部エンティティ参照 (XXE) のカテゴリーは、このカテゴリーに含まれています。
A06:2021-脆弱で古くなったコンポーネント
以前は「既知の脆弱性のあるコンポーネントの使用」というタイトルでした。この問題は、Top 10コミュニティの調査では2位であり、データ分析によってトップ10に入るだけのデータもありました。このカテゴリーは2017年の9位から順位を上げました。これは、テストやリスク評価に苦労する、よく知られた問題です。また、含まれるCWEにあたる共通脆弱性識別子 (CVE)のない、唯一のカテゴリであるため、デフォルトのエクスプロイトとインパクトの重みは5.0としてスコアに反映されています。
A07:2021-識別と認証の失敗
以前、「認証の不備」と呼ばれていましたが、この版では第2位から順位を落とし、識別の失敗に関連するCWEをより多く含む意味合いのカテゴリとなっています。このカテゴリーは依然としてトップ10に示すべき重要な項目ですが、標準化されたフレームワークの利用が進んだことが功を奏しているようです。
A08:2021-ソフトウェアとデータの整合性の不具合
2021年に新設されたカテゴリーで、ソフトウェアの更新、重要なデータを、CI/CDパイプラインにおいて整合性を検証せずに見込みで進めることによる問題にフォーカスしています。共通脆弱性識別子/共通脆弱性評価システム (CVE/CVSS) のデータから最も重大な影響を受けたものの1つが、このカテゴリーの10のCWEにマッピングされています。A8:2017-安全でないデシリアライゼーション は、このカテゴリーの一部となりました。
A09:2021-セキュリティログとモニタリングの失敗
従来はA10:2017-不十分なロギングとモニタリングでしたが、Top 10コミュニティの調査(第3位)から追加され、従来の第10位からランクアップしました。このカテゴリは、より多くの種類の失敗を含むように拡張されています。これは、テストが困難なものであり、かつ、CVE/CVSSのデータにはあまり反映されないものです。とはいえ、このカテゴリーで失敗が起きると、可視性、インシデントアラート、フォレンジックなどに直接影響を与える可能性があります。
A10:2021-サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)
Top 10コミュニティの調査(第1位)から追加されたものです。調査データからわかることは、よくあるテストより広範な範囲において、問題の発生率は比較的低いものの、問題が起きた場合のエクスプロイトとインパクトは平均以上のものとなり得ます。このカテゴリは、現時点でデータとして現れるものではありませんでしたが、複数の業界の専門家により重要との示唆を得たシナリオとして反映しています。
参考:OWASP Top 10 アプリケーションセキュリティリスク– 2017
A1:2017-インジェクション
SQLインジェクション、NoSQLインジェクション、OSコマンドインジェクション、LDAPインジェクションといったインジェクションに関する脆弱性は、コマンドやクエリの一部として信頼されないデータが送信される場合に発生します。攻撃コードはインタープリタを騙し、意図しないコマンドの実行や、権限を有していないデータへのアクセスを引き起こします。
A2:2017-認証の不備
認証やセッション管理に関連するアプリケーションの機能は、不適切に実装されていることがあります。不適切な実装により攻撃者は、パスワード、鍵、セッショントークンを侵害したり、他の実装上の欠陥により、一時的または永続的に他のユーザーの認証情報を取得します。
A3:2017-機微な情報の露出
多くのウェブアプリケーションやAPIでは、財務情報、健康情報や個人情報といった機微な情報を適切に保護していません。攻撃者は、このように適切に保護されていないデータを窃取または改ざんして、クレジットカード詐欺、個人情報の窃取やその他の犯罪を行う可能性があります。機微な情報は特別な措置を講じないでいると損なわれることでしょう。保存や送信する時に暗号化を施すことや、ブラウザ経由でやり取りを行う際には安全対策を講じることなどが必要です。
A4:2017-XML 外部エンティティ参照(XXE)
多くの古くて構成の悪いXMLプロセッサーにおいては、XML文書内の外部エンティティ参照を指定することができます。外部エンティティは、ファイルURIハンドラ、内部ファイル共有、内部ポートスキャン、リモートコード実行、DoS(サービス拒否)攻撃により、内部ファイルを漏えいさせます。
A5:2017-アクセス制御の不備
権限があるもののみが許可されていることに関する制御が適切に実装されていないことがあります。攻撃者は、このタイプの脆弱性を悪用して、他のユーザのアカウントへのアクセス、機密ファイルの表示、他のユーザのデータの変更、アクセス権の変更など、権限のない機能やデータにアクセスします。
A6:2017-不適切なセキュリティ設定
不適切なセキュリティの設定は、最も一般的に見られる問題です。これは通常、安全でないデフォルト設定、不完全またはアドホックな設定、公開されたクラウドストレージ、不適切な設定のHTTPヘッダ、機微な情報を含む冗長なエラーメッセージによりもたらされます。すべてのオペレーティングシステム、フレームワーク、ライブラリ、アプリケーションを安全に設定するだけでなく、それらに適切なタイミングでパッチを当てることやアップグレードをすることが求められます。
A7:2017-クロスサイトスクリプティング(XSS)
XSSの脆弱性は、適切なバリデーションやエスケープ処理を行っていない場合や、HTMLやJavaScriptを生成できるブラウザAPIを用いているユーザ入力データで既存のWebページを更新する場合に発生します。XSSにより攻撃者は、被害者のブラウザでスクリプトを実行してユーザーセッションを乗っ取ったり、Webサイトを改ざんしたり、悪意のあるサイトにユーザーをリダイレクトします。
A8:2017-安全でないデシリアライゼーション
安全でないデシリアライゼーションは、リモートからのコード実行を誘発します。デシリアライゼーションの欠陥によるリモートからのコード実行に至らない場合でさえ、リプレイ攻撃やインジェクション攻撃、権限昇格といった攻撃にこの脆弱性を用います。
A9:2017-既知の脆弱性のあるコンポーネントの使用
ライブラリ、フレームワークやその他ソフトウェアモジュールといったコンポーネントは、アプリケーションと同等の権限で動いています。脆弱性のあるコンポーネントが悪用されると、深刻な情報損失やサーバの乗っ取りにつながります。既知の脆弱性があるコンポーネントを利用しているアプリケーションやAPIは、アプリケーションの防御を損ない、様々な攻撃や悪影響を受けることになります。
A10:2017-不十分なロギングとモニタリング
不十分なロギングとモニタリングは、インシデントレスポンスに組み込まれていないか、非効率なインテグレーションになっていると、攻撃者がシステムをさらに攻撃したり、攻撃を継続できるようにし、ほかのシステムにも攻撃範囲を拡げ、データを改竄、破棄、破壊することを可能にします。ほとんどのデータ侵害事件の調査によると、侵害を検知するのに200日以上も要しており、また内部機関のプロセスやモニタリングからではなく、外部機関によって検知されています。